花と器のフォトエッセイ
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第十四話 「希望の春に」
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第十四話 「希望の春に」
季節のお菓子
家族の揃うティータイム用にと焼いたお菓子は、桜の花の塩抜きしたものをあしらったものと、いちごのコンポートを加えたフィナンシェ。
バターをたっぷり使った焼き菓子は紅茶によくあいます。
桜の花の塩漬けはお祝い時の桜茶など一年中楽しめるものではありますが、やはりこの季節が一番ぴたりと気持ちにも重なり、我が家ではこうしてお菓子やお料理にも幅広く活躍しています。
口に含んだ瞬間ふわりと広がる香りが、春のものだなぁとしみじみ感じます。
春めく
ひと雨ごとに空気は春めき、吹く風に柔らかさを感じます。
雨上がりの朝、広がる空はくっきりと青く、春らしい清廉な空気が満ち溢れていました。
しっとり濡れた地面からも、どことなく春の匂いが立ち上るような…
植物の芽吹きを優しく包む大地も、力を良い具合に緩めているのかもしれません。
この季節は小さな庭でも毎日新しい発見があります。
先日はデッキの”ユーホルビア・ブラックバード”に、小さな蕾をたくさん見つけました。
その隣では”ビルベリー”がぐんぐんと新芽を伸ばし始めています。
もうしばらくすると白い小さな蕾も見られるでしょうか。
新しい命の膨らみを目にするたび、思わず頬もほころびます。
まさにそこに「希望」を見るようでもあり、春という季節のエネルギーを感じずにはいられません。
柔らかなピンク、ホワイト、グリーン…と楽しませてくれた庭のクリスマスローズ。
3月に入ると濃いチョコレート色の花が咲きました。
夜半から春の嵐という予報だったある日。
長く伸びた数輪を摘んで、カットが美しいドイツ製ビンテージガラスに生けました。
3月に入ると濃いチョコレート色の花が咲きました。
夜半から春の嵐という予報だったある日。
長く伸びた数輪を摘んで、カットが美しいドイツ製ビンテージガラスに生けました。
今が盛りと咲き誇る満作も、夜の雨風で花びらを落としてしまいそうで、こちらは少し和の器に生けて和室で楽しむことにしました。
晴れやかな季節に
リビングには眩しい春の光を纏ったようなイエローとオレンジでまとめたアレンジメントを。
グリーンの”ビバーナム”とスプレーバラの”グリーンエクレール”が程よいボリュームを出してくれます。
”ヘデラベリー”は黒い実りが良いアクセントに。
アプリコットカラーがかわいらしいチューリップ、幾重にも重なる花びらが美しいラナンキュラス、柔らかなフリルのスイートピー…
春の花は器に生けた後にも、光が差す方向へ茎を伸ばし、花びらを閉じたり、開いたり。
日々その姿を自由に変化させる花たちに、伸びやかさ健気さを感じます。
この季節は、4月からの新しいはじまりと年度末という区切りが背中合わせ。
出会いもあれば、別れもあるとき。
さまざまな想いを胸に、新たな場所へ向かう人も多いでしょう。
どうぞ新しいスタートが晴れやかなものでありますように。
出会いもあれば、別れもあるとき。
さまざまな想いを胸に、新たな場所へ向かう人も多いでしょう。
どうぞ新しいスタートが晴れやかなものでありますように。
flowers&leaves+lives
フラワーコーディネーター資格取得後、ホテルでのブライダルフラワー、自宅やギャラリーなどでのワークショップ主催を経て現在は暮らしの中で楽しむ花を提案しています。