花と器のフォトエッセイ
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第四話 「暮らしに馴染む花たち」
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第四話 「暮らしに馴染む花たち」
5月の花束
花や緑に勢いのある季節になりましたね。
芍薬(シャクヤク)、紫陽花、ビバーナムに山帰来*(サンキライ)を束ねてブーケにしました。
加えたグリーンは、ジューンベリー、ブラックレースフラワー**、青もみじ。
どれも庭から摘んできたものです。
自宅で楽しむブーケやアレンジメントには、積極的に庭の緑を取り入れるようにしています。
意識して様々な植物を植えたり育てたりするのもその理由から。
ブーケやアレンジメントに庭の緑を加えることで、気負いなくインテリアとも繋がりが持てると思うのです。
*山帰来(サンキライ)
ツル性の落葉低木。秋には赤い実をつけます。
**ブラックレースフラワー
切り花でよく見かける白い花のレースフラワーの色違いではなく、別名ノラニンジンと呼ばれる、人参の仲間。レースフラワーの花型によく似たボルドー色の花が咲く、葉も美しいおしゃれな植物です。flowers&leaves+livesさんは花ではなく、細く繊細で黒っぽい葉をアレンジメントのアクセントとして使っています。
和の楽しみ
庭の山紫陽花*は今が盛り。
花も葉も小ぶりな山紫陽花ですが、木陰でしっとり咲く姿には派手さはなくともこの時期らしい風情を感じます。
これからやってくる雨の季節には玄関横の紫陽花が咲き始め、ゆっくりと秋色**に染まってゆくのを楽しみます。
*山紫陽花(ヤマアジサイ)
別名サワアジサイとも呼ばれ、アジサイにくらべて樹形や花型が小ぶりで繊細なものが多い花木です。
**秋色紫陽花(アキイロアジサイ)
気温の変化などによって、だんだんとアンティークカラーに変化したアジサイの総称です。
庭の小さな和の空間では、少しづつ作りためている山野草の盆栽や苔玉も楽しんでいます。
器は特に盆栽用というものを選んでいるわけではありませんが、母から譲ってもらった骨董のお皿やどこか和の風合いも感じる浅鉢など楽しみながら選んでいます。
白い小花は三葉下野*(ミツバシモツケ)。
風に揺れる姿は何ともかわいらしい雰囲気です。
花の終わった三椏**(ミツマタ)は濃い緑の葉を広げ始めました。
*三葉下野(ミツバシモツケ)
すっと伸びた花茎に星形の白い花を咲かせる、秋の紅葉も美しい宿根草。
**三椏(ミツマタ)
3月から4月ごろにかけて、三つ叉に分かれた枝の先に黄色い花を咲かせる、落葉低木。
初夏のアウトドアテーブル
デッキテーブルのお楽しみもこの季節ならでは。
心地よい風と、蚊のいない「今」限定です。
育てている植物たちに囲まれ、ゆっくりと寛ぐ時間は最高のリラックスタイム。
グリルから鍋ごとそのまま、オーブンから熱々の天板ごと…
この日はパエリア、枝豆&パルミジャーノレッジャーノのオムレツ、サラダなど。
大皿スタイルの料理を並べて、ワインを開けて。
家族や友人と過ごすひとときも小さな庭の楽しみです。
季節の花たち
先日バラを見に出かけてきました。
春咲きのバラは香りも良く、やはり華やかです。
咲き誇る大輪のモダンローズ*の美しさは言うまでもありませんが、野生種やオールドローズ**の楚々と咲く佇まいには、いつもながら心魅かれてしまいます。
眩しい陽ざしの中、吹き渡る風はすっかり初夏の装い。
風に揺れる花や緑は、ますますエネルギーに満ち溢れ、生き生きとしていました。
*モダンローズ
バラはモダンローズとオールドローズの2種に大きく分類されます。「モダンローズ」とはおおよそ1867年以降に作出された、現在一般的に見られるバラです。
**オールドローズ
モダンローズの作出以前から存在するバラです。「オールドローズ」は半ツル性、または完全なツル性の香り豊かなバラが多いとされています。
梅雨入りも間もなく。
雨に濡れる色とりどりの紫陽花、大きな葉で雨粒を受ける擬宝珠*(ギボウシ)、空の青を映し出したかのような路肩の露草…
梅雨ならではの、植物たちの美しさにふれるひとときを心待ちにする日々です。
*擬宝珠(ギボウシ)
ホスタとも呼ばれ、初夏から夏にかけて白や紫の花が咲く、半日影で育つ多年草。さまざまな葉の色や形が存在し、カラーリーフとして人気の植物です。
注釈作成:花毎
flowers&leaves+lives
フラワーコーディネーター資格取得後、ホテルでのブライダルフラワー、自宅やギャラリーなどでのワークショップ主催を経て現在は暮らしの中で楽しむ花を提案しています。