花と器のフォトエッセイ
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第五話 「季節の狭間で」
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第五話 「季節の狭間で」
紫陽花を生ける
6月も下旬、雨の季節の真っただ中。お天気うかがいの日々が続いていますが、四季のある暮らしならではの、梅雨の楽しみも忘れずにいたいものです。
この時期に咲く色とりどりの紫陽花はなんともいえない美しさがあります。
ぽってりとしたガラスの器に生けたのは濃いブルーの紫陽花にクリーム色のアルストロメリア。そこに傘をさしたような紫のベル型クレマチスと、庭から採ってきた斑入り野葡萄の葉を添えました。
ガラスの器と涼しげな色の花たちの取り合わせで、部屋の空気もすっと爽やかに感じられます。
暮らしにハーブを
湿度の高いこの時期、ハーブはよりしっとりと香り、部屋の空気を浄化してくれるようです。
フレッシュなままガラスに生けて楽しむもよし、また暮らしのさまざまな風景において、その香りの効能を活かすことができます。
ラベンダーのサシェはクローゼット用に。
刺繍をした肌触りの良いリネンの小袋にラベンダーを詰め、少しオイルを落としてそのまま引き出しに入れたり、紐を縫い付け下げて使っています。
キッチンではローズマリーを観賞も兼ねて生けたり、時には枝をくるりと丸めてラフなリースにして、ちょっとしたスペースに吊り下げています。
お肉やお魚をソテーする時、ジャガイモのフライをする時など、そこから少し摘み取ってフライパンへ。
香りが程よく食材へうつり、とてもおいしく仕上がります。
フレッシュなローズマリーは、お皿の上でアクセントとして仕上げに飾るのもおすすめ。
暑い季節のテーブルで、見た目からも香りからも食欲増進に繋がりますね。
気温が上がると水出しの緑茶や紅茶の登場も増える我が家です。
雨音もひと休みした先日、ティータイムにはオレンジとミントをたっぷり加えたアイスティーを用意。
ガラス越しに見えるフルーツやミント、目からも涼やかさを感じられます。
水出しの緑茶にミントという、ちょっと意外な組み合わせも、爽やかで美味しいです。
見て楽しんで、香りを楽しんで……
ハーブの効能が雨のひととき、暮らしをより楽しく心地良くしてくれるようです。
グリーンをガラスに
ガラス使いもこの季節ならではの楽しみ。
日々の食卓でも、植物を生ける時にも涼やかな演出に。
今回は雨上がりに、ぐんぐん枝葉を伸ばした庭のグリーンを少しカットして、ガラスベースへナチュラルに生けてみました。
青モミジ、ナツハゼ、ビルベリー、ギボウシ、山吹……
安定感のあるティアドロップ型が枝ものもしっかりと受け止めてくれます。
秋に紅葉したナツハゼも好きですが、この季節の青々とした葉も良いものです。
ガラス越しに見える水の透明感、茎や枝のいきいきとした様からも涼を堪能しています。
夏を迎える前に
雨上がり、吹き抜け窓から見える青空がまた一段夏の色に近づいていました。
この時期は降り続く雨を憂鬱に思うこともありますが、梅雨は植物にも人にとっても無くてはならない季節。
降り続く雨を窓越しに見上げる日、梅雨の晴れ間に広がる青空を嬉しく見上げる日。
そんな繰り返しを過ごしながら、自然のうちに気持ちとからだも本格的な夏を迎える準備をしているのでしょう。
季節のなかを生きることの豊かさ、奥深さに触れることを嬉しく幸せに思う日々です。
flowers&leaves+lives
フラワーコーディネーター資格取得後、ホテルでのブライダルフラワー、自宅やギャラリーなどでのワークショップ主催を経て現在は暮らしの中で楽しむ花を提案しています。