花と器のフォトエッセイ
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第六話 「夏を迎えて」
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第六話 「夏を迎えて」
夏到来
玄関横のアスパラが小さな白い花を咲かせ始めました。
生い茂るグリーンの葉のなかに見えるぽつぽつと咲く小花は、まるで星屑のよう。
少しはさみを入れて、部屋の中でもアンティークの越前焼の甕に生けて楽しんでいます。
今年、関東は6月に梅雨明けという早い夏の到来となりました。
暦の上では本格的な暑さはこれから、とも言いますが、日本列島はすでに連日酷暑続き。
昼間の陽ざしは肌にもジリジリと伝わり、厳しいものがあります。
7月のテーブル
7月、我が家は家族のお誕生日続き。
毎年お祝いの日には小さなブーケを束ねたり、お料理にあわせてテーブルの上をアレンジしたり、私も楽しみながら準備をしています。
先日のお祝いテーブルでは、フォークとナイフを包んだナフキンにブルーベリーや野バラの実をあしらって、シルクのリボンを掛けて。
お料理のお皿にはグリーンの実を付けた山帰来(サンキライ)を這わせ、お皿同士繋がりを持たせてみたり。
ガラスのトレーに置いた前菜の器にはゲーラックスを敷いて、清涼感を意識してみました。
作り慣れたメニューばかりですが、植物たちの力を借りて、少しよそゆきな雰囲気に仕上がったように思います。
いつものお料理も目先が変わって、家族にも好評でした。
夏色の花
元気いっぱいな娘のイメージで、7月には姫ひまわりをよく飾ります。
ワイングラスに短めにしたお花をナチュラルにアレンジメント。
他にもビンテージガラスや、手持ちの小さなガラスに植物をいくつか生けて、アンティークの角盆に並べて楽しんでいます。
暑いとどうしても切り花を楽しむことは、つい難しく思ってしまいがちですが、夏には夏の花の魅力もあって……
この姫ひまわりもそんなお花のひとつ。
夏空の下、大輪で咲き誇るひまわりももちろん素敵ですが、小さく咲くミニサイズの姫ひまわりもとてもかわいらしく、部屋の中で気負いなく楽しめるお花だと思います。
季節の恵み
花や緑と同じように、季節ごとに嬉しい出会いのある果物。
先日お取り寄せした杏にプラム……
夏の太陽の光をたっぷりと浴びたオレンジ色に赤色!エネルギーを感じずにはいられません。
フレッシュなままいただくことを楽しんだら、半分はソースに仕立てることにしました。
朝のテーブルでパンに塗ったり、ヨーグルトに添えたり。
この暑い夏には自家製かき氷のソースとしても楽しんでいます。
旬の色、味、香り。
植物も果物も自然からの豊かな恵みです。
蓮を見に
7月上旬のある朝、蓮の花を見に出かけました。
人もほとんどいない静かなひととき。
蓮はつぼみの佇まいもとても魅力的で、自宅のアレンジメント用としてもつぼみのままの切り花をよく選びますが、優美に咲き誇る姿には、また違う華やかさがあります。
朝の光の中、柔らかな花びらを開き空を仰ぐように咲く蓮の姿には、より清廉な空気が漂っていました。
夕暮れ、暑さが少し落ち着きを見せる頃、植物を観察がてら行う庭の打ち水、この季節のちょっとした楽しみでもあります。
じわじわと地面に伝わる水、その様を見るだけでもほっとするような……
日本人の昔から伝わる知恵、まさに賢く風情ある教えだなぁと思います。
暑い時ではありますが、ほどよく汗をかきながら、季節のものを感謝していただき、さらりとした気持ちの良いものを身に着け、その時ならではの暮らしの楽しみを忘れずに。
今年も元気に夏を乗り越えたいと思っています。
flowers&leaves+lives
フラワーコーディネーター資格取得後、ホテルでのブライダルフラワー、自宅やギャラリーなどでのワークショップ主催を経て現在は暮らしの中で楽しむ花を提案しています。