花と器のフォトエッセイ
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第十二話 「早春に」
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第十二話 「早春に」
球根花のアレンジメント
寒空の下、庭の球根花がひっそりと芽を出し始めました。
植物たちの小さな合図に、あたたかな春もそう遠くはないことを実感します。
部屋のなかでは一足早く黄色い水仙が咲き始めました。
アイボリーカラーの脚付の花器は、生ける口のサイズが球根花を支えるのに程よく、この季節には数種の球根花をアレンジして楽しんでいます。
茎の足元には苔を敷き、時に河原で拾った石や小枝を配してみたり……
野趣な雰囲気を意識するようにしています。
今年はミニ水仙の“ティタティタ(テータテート)”にムスカリをあわせてみました。
まだムスカリのブルーは見えてはいませんが、小さな花芽がちらほらと顔を出しています。
可愛らしい花の開花を心待ちにしています。
椿を楽しむ
華やかに咲き誇る椿を今の時季あちらこちらで見かけます。
ころんと丸い可愛らしいつぼみや、艶々とした濃い緑の葉もとてもきれいで心魅かれます。
厚くしっかりとした椿の葉は、お正月の漆や渋い焼き物の器にもよく合い、新年のテーブルでは、料理のあしらいに使いました。
植物の助けを借りながら料理を盛り付ける……とても楽しいひとときです。
ある日のティータイム、椿の葉を和菓子とあわせてみました。
ほんわかとした春色の和菓子に濃い緑の葉のコントラストは目にも鮮やか。
テーブルの上はすっかり春の空気です。
ほんわかとした春色の和菓子に濃い緑の葉のコントラストは目にも鮮やか。
テーブルの上はすっかり春の空気です。
早春の花
早春の花の美しさには格別なものがあるように思います。
優しい雰囲気を纏いながらも凛としたその佇まい、新しい年の始まりの空気とも相まって見ている私たちの背筋も伸びるようです。
生けたのは二種のチューリップに変わり咲きのラナンキュラス、フリージア、ルピナス、グレビレア、庭の雪柳の枝を少し。
花の伸びやかさを生かして、ガラスに投げ入れのアレンジメントを。
この季節、より一層透明度を増す花の色、香り。
そして、しなやかな茎やみずみずしい葉が触れ合うたび、かすかに響くきゅっきゅっという音。
五感から伝わるのは、まさに早春の花の生命力です。
花の伸びやかさを生かして、ガラスに投げ入れのアレンジメントを。
この季節、より一層透明度を増す花の色、香り。
そして、しなやかな茎やみずみずしい葉が触れ合うたび、かすかに響くきゅっきゅっという音。
五感から伝わるのは、まさに早春の花の生命力です。
はじまりの空気
今朝は庭の水鉢にはうっすらと氷が張っていて、いつもの散歩道では霜景色に朝の光がキラキラと反射していました。
一年のうちで今が寒さの一番底と思うと、もうじき長い冬が終わり、光溢れる春がやってくることに嬉しくなります。
夕暮れも徐々に延びてきました。
近所の桜の木には花芽がたくさん。
冷たい空気の中で春を待ちながら、花芽が一斉に空へと伸びる姿に元気をもらいます。
季節は春へと動き始める時。
早春の清々しい気配とともに、背筋を伸ばして新しいスタートを迎えたいと思います。
flowers&leaves+lives
フラワーコーディネーター資格取得後、ホテルでのブライダルフラワー、自宅やギャラリーなどでのワークショップ主催を経て現在は暮らしの中で楽しむ花を提案しています。