花と器のフォトエッセイ
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第九話 「実りの季節」
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第九話 「実りの季節」
庭仕事
暦の上では晩秋を迎えましたが、庭の木々の葉の紅葉にはもうしばらく、というところ。
まだまだ心地よい秋の気候を楽しみたい気分です。
秋らしい色を添えたくて、少しばかり秋の苗を購入してきました。
来春咲きの球根もお店に並び始め、そちらも迷わず手に取って。
水仙、ムスカリ、チューリップにスノードロップ…
寒い冬はこれから、その先の春に想いを馳せながら、
小さな庭を彩る花の球根を植えています。
和室にも秋を
秋真っただ中、もちろん深みのある秋色にも目がありません。
和室に飾ったのは豆柿とグミの実。
ドライになるのもいいなぁと、水からあげて木製の鉢にあしらってみました。
お花屋さんにもこの季節、花ばかりではなく秋らしい実りたちも並んでいます。
紫色に染まった木通(あけび)、深い色づきまでにはもう少しの郁子(むべ)、グリーンからゆっくりと茶色に衣替えの毬栗(いがぐり)…
アレンジメントに加える秋の実り、色合いにも、もちろんその効果はありますが、そのデコラティブな存在感には、まさに秋らしいスパイスのごとく、アレンジメントに"あそび"を添えたり、時に全体をギュッと引き締めてくれるような風情もあります。
それは、部屋に置くインテリアとしての存在感にも然り。
アンティークの器に
実りをもうひとつ。
こちらは灰汁柴(あくしば)の実。
主人が記念日に買ってきてくれたブーケに入っていたものです。
ブーケに入っていたお花は散ってしまいましたが、灰汁柴は庭の植物とあわせて長く楽しんでいます。
ぽろぽろと落ちる実さえもかわいらしくて、小さな器にいくつか飾ってみました。
縁取りが美しい白い器は、ずいぶん前に妹がプレゼントしてくれたアンティークのもの。
器だけでそのまま飾っておいても雰囲気が良いのですが、こうして小さな実ものや、ドライになった紫陽花の花びらを時折飾っては楽しんでいます。
秋の夜長
先日、お庭でカットされたという枝ぶりの良いローズマリーを一枝分けていただきました。
お料理に使ってしまう前に、まずはキャンドルの傍らに少し置いて香りを楽しんでみました。
雨の季節に取り入れるハーブやアロマの爽快感も清々しくて好きですが、秋のしっとりと透明感のある空気のなかで楽しむ香りもとても落ち着きます。
季節ごと、その時々の空気との出会いで香りの印象も変わるものですね。
最近娘からすすめられた本をめくりながら、今日も秋の夜長を楽しみたいと思います。
心で感じる秋
月日の流れは速いもので、この季節はいつもあっという間に過ぎてしまう気がします。
澄んだ青空を背景に色づいた街路樹。いつもの散歩道、風に揺れる草花の葉擦れの音。夜空に冴え冴えと輝く月の光…
何気ない風景のなかに見つけた小さな秋を大切に楽しみたいと思います。
flowers&leaves+lives
フラワーコーディネーター資格取得後、ホテルでのブライダルフラワー、自宅やギャラリーなどでのワークショップ主催を経て現在は暮らしの中で楽しむ花を提案しています。