花と器のフォトエッセイ
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第十三話 「春を待つたのしみ」
暮らしの中で花を楽しむ達人、flowers&leaves+livesさんの季節の花とあわせて楽しむ器、
そして暮らしのお話。
第十三話 「春を待つたのしみ」
早春の樹木
庭の満作のつぼみも膨らみ、開花が楽しみな季節です。
冬の寒さがふっと緩み始める頃、早春の木々を染める花色には清々しさが溢れます。
お花屋さんにも季節の枝ものがたくさん並んでいます。
蝋梅、三又、山茱萸(サンシュユ)、連翹(レンギョウ)…どれもみな楚々として控えめながらも、清らな春の空気のなかで咲き誇る姿には、凛とした美しさがあります。
自宅に飾ったのは梅の花。
竹製のかごに小さく生けてみました。
花の可愛らしさと枝の伸びやかさを愛でながら、どの向きが面白いかな、魅力的かなと想いを巡らせるひととき、植物との対話はいつも豊かな時間です。
今回は深さのある器に投げ入れましたが、浅い器に枝を這わせて、枝の動きが見えるように生けるのも楽しくて好きです。
野に咲く姿そのままを取り入れることが難しいなら、インテリアという空間においてはその風情にもどこかオリジナル感があっても良いように思っています。
澄んだ空気のなかでは梅の香りも清々しく凛として。
「ああ今年も春になるのだなぁ…」としみじみ感じます。
色合わせを楽しむ
ブーケもアレンジメントも、色を組み合わせることが春の花の楽しさ。
脚付のコンポート型のガラスに生けたのは、パンジー、チューリップ、ラナンキュラス、アネモネ、リューココリーネに爽やかなミントのグリーン。
ふわふわとした花びら、柔らかな風合い、優しい花色の取り合わせ…
まるで砂糖菓子の詰め合わせのようで、そんなところにも春色の存在感を感じます。
小さな庭便り
庭ではクリスマスローズのシックな花が目を楽しませてくれています。
今の住まいに越してきて数年は、つぼみがついても2、3輪でしたが、今年はひと株に10輪以上のつぼみが付いたものも!
他にもクリーム色、濃いチョコレート色と、色違いのクリスマスローズの開花を心待ちにしています。
和室前の植えっぱなしのスノードロップをはじめ、秋に植えたチューリップ、水仙、ムスカリの小さな芽も見え始めました。
蘭エビネ(蘭の一種)もひっそりと新しい季節に向け葉を広げています。
いつもはグリーン主体の小さな庭も春先ばかりは少し色が増えて賑やかに。
キッチンにも春色を
いつもお世話になる産直のお店には春の野菜が豊富に並び、ついつい目移りをしてしまいます。
ある日のお買い物は菜の花に、美しい色に目を惹かれた赤カブとカリフラワー。
早速、菜の花は出汁浸しに、赤カブとカリフラワーはピクルスにしました。
新鮮な季節の恵みの美しさ、それは花も野菜も同じですね。
全部食べてしまうのが惜しくて、菜の花を少しだけそば猪口に生けてキッチンで楽しんでいます。
冬から春になる頃は特に、旬のものを積極的にとるのが良いそうです。
季節のものを取り入れることで、冬の間に身体のなかにたまった毒素が排出されて、気力や免疫力が上がり、徐々に新しい季節を身体が受け入れていくのだとか。
毎年この時期になるとヨガの先生から伺った、そんなお話を思い出します。
冬から春になる頃は特に、旬のものを積極的にとるのが良いそうです。
季節のものを取り入れることで、冬の間に身体のなかにたまった毒素が排出されて、気力や免疫力が上がり、徐々に新しい季節を身体が受け入れていくのだとか。
毎年この時期になるとヨガの先生から伺った、そんなお話を思い出します。
あたたかな陽ざしに
まだ残る冬の寒さの中で、あたたかな陽ざしに春を感じることも増え始めました。
空気の緩みとともに、私たちの身体もほっとほぐれていくよう。
草木もいよいよ本格的に芽吹き始める頃。
庭先に、足元に、小さな緑色が広がり始めます。
柔らかな春の光の中で新たな命がキラキラと輝く季節ももうすぐです。
flowers&leaves+lives
フラワーコーディネーター資格取得後、ホテルでのブライダルフラワー、自宅やギャラリーなどでのワークショップ主催を経て現在は暮らしの中で楽しむ花を提案しています。