
クレマチスとは
多くの原種を持つクレマチスは、古くからガーデンプランツとして広く親しまれ、英国では「つる性植物の女王」とも呼ばれています。花色、花姿、開花期なども種類によって異なり、見ごたえのある大輪の花もあれば、釣鐘型の楚々とした花を楽しむ品種もあります。別名の「テッセン」や「カザグルマ」は本来は原種の名前ですが、園芸用のクレマチスを指して呼ぶこともあります。
園芸品種としては大きく分けて、1年に1回スポット的に開花する一季咲き、長期に渡って咲き続けたり、剪定することにより繰り返し開花する四季咲きのグループがあります。グループによって育て方も異なる場合があるので、育てている品種の性質を調べてみるのも良いでしょう。
ここでは、四季咲きの基本的な育て方をご紹介いたします。
科名:キンポウゲ科センニンソウ属(クレマチス属) 英名:Clematis
別名:テッセン(鉄仙)、カザグルマ(風車) 原産地:北半球
分類/形態 | 草花・庭木/多年草つる性植物 |
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耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
開花時期 | 種類による |
クレマチスの置き場所
日当たりの良い戸外で管理します
戸外の日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。日照が足りないと生育や花つきが悪くなるので、十分な日照を与えます。春・秋は、半日以上日が当たる場所で育てるのが理想的です。夏場は西日や強い日差しに注意し、軒下など半日陰の風通しの良い場所へ移しましょう。耐寒性があるので、冬は戸外で越冬できます。
クレマチスの水やり
鉢の形状によって、水の与え方が異なります

①普通鉢
通常の植木鉢と呼ばれる、鉢底に穴のあいたタイプの鉢です。バスケットなどの鉢カバーに入っている場合は、一度鉢を取り出してから行います。土の表面が白っぽく乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。カビや病気の原因になるので、花・葉などに水が直接かからないように注意しましょう。ほどよく水が切れてから元に戻します。冬は暖かな日中に、夏は午前か夕方に与えるようにしましょう。冬は週に1日程度を目安に、乾燥気味に管理します。
②底面給水鉢
鉢底の受皿に水を溜め、吸い上げて吸収するように設計された鉢です。受皿に溜まった水量を見ながら水を補給します。受皿ではない、二重鉢タイプのものは、水量が見えにくいので水切れに注意します。
受皿には、2/3程度水が溜まっている状態を満水とし、減ってきたら足しましょう。月に1~2回程度、受皿を外し、土の表面より鉢底から流れ出るくらいたっぷりの水を与え、根に溜まった老廃物を洗い流しましょう。ほどよく水が切れたら再び受皿をセットし、新たに水を溜めます。万一、水切れを起こし植物全体がぐったりとしてしまった場合も同様の手順を行います。
クレマチスの肥料の与え方
真夏と冬場は肥料を与える必要はありません
春と秋の成長期に、市販の緩効性の固形肥料を与えます。その際、植物に肥料が直接触れないように鉢の縁の方へ置いてください。水を与えるたびに徐々に効いていきます。液体肥料の場合は開花中、1ヶ月に2度を目安に与えます。
クレマチスの植え替え
新しく出た葉が小さく色が薄かったり、根が詰まって水切れしやすくなったら植え替えをしましょう。目安は2年に1度くらい、月~10月頃の涼しくなった頃に行います。
ひとまわり大きな深めの鉢を用意します。根を崩さないように注意しながら、そっと鉢から引き抜き、根元の1~2節を土に植え込む”深植え”をします。市販のクレマチス専用用土や花鉢用の培養土などが手軽でおすすめです。植え込みの際に、有機質の固形肥料をあらかじめ土に混ぜ込む(「元肥」といいます)と効果的です。粒状の化成肥料の場合は、花を咲かせるのに必要なリン酸成分と根を育てるカリ分の多く配合されているものを使用しましょう。

クレマチスの剪定
植物の茎や枝を短く切り詰め、樹形や花付きを良くする作業を剪定といいます。 花後に、花から2~3節ほどを刈り込むことで、その後の成長を促します。さらに、2~3月頃の新芽が動き出す前に再度”軽い剪定”を行いましょう。冬場、クレマチスはほぼ枯れたような状態になりますが、枯れた葉を取り除いて株の状態を確認しましょう。枝先から株元に向かって「ぷっくりとふくらんだ芽」が出ているか確認し、そこから上の芽がでていない部分を切り落とします。必ず節と節の間で切り落としましょう。
